• テキストサイズ

Shadow Moon

第1章 目覚め


岡田刑事が帰ったあと、思い出そうとしたが頭が痛くなるだけだった。
精神科の医師にも無理に思い出そうとしないようにとは言われたが…。
「和也…」
入口に目をやると薫が顔を出していた。
「薫さん?」
「さんって、あんたまだ思い出してないの?
薫で良いよ、気持ち悪いから…」
照れた様子で中に入ってきた。

昨日はその勢いに押されて気付かなかったが、意外と長身でショートカットされた黒髪が似合う可愛らしい娘だ。
「…たくっ、和也は肝心なところでトロいんだからよ
…身体、痛くねぇのか?」
「痛さより不自由さの方が辛いよ
寝返りさえ出来ないんだから…」
俺は苦笑いしたが、薫はその言動とは裏腹に今にも泣きそうな顔をしていた。
「今日も和田が来てくれたよ
高校の頃の話しを聞いた
薫は幼なじみなんだろ?
俺の家族や小さい頃のことを教えてくれないか?」
「えっ?小さい頃の話し?
あたしが知ってるのは…」
薫は少し照れながら話してくれた。
父親は桧山徹、建設会社で働いていている。
ぶっきらぼうだが、薫や和田にも変わらない対応をしてくれるらしい。
母親は涼子、コンビニでパートをしていてる。
いつも笑顔で誰にでも優しいが、曲がったことが大嫌いらしい。
/ 45ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp