刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第36章 嵐の夜
「なんだか空が荒れそうですね…」
縁側で日向ぼっこをしていた堀川国広が不意に空を見上げて呟いた。その言葉に釣られて横に座っていた彼女も空を見上げる。
見上げた空は太陽が降り注いでいて雨が降りそうなんて到底思えない程の快晴だ。
「これは、かなり嫌な予感がします…主さん、洗濯物早めに取り込みましょうっ」
「え!?荒れるって雨が降るってこと?今はこんなにお天気なのに?」
「はい、夕方にはきっと…」
にわかに信じ難いが、堀川がそう言うのであればきっとそうなんだろう。
もう一度空を見上げてみるが相変わらず太陽がサンサンと降り注いでいて、少し強い気もするが気持ちのいい風も吹いている。
「わかった!幸いにも洗濯物も乾いてるし取り込んじゃおうか!」
「はい、主さん!」
急いで干してあるタオルや内番服やらを洗濯篭に取り込む。そして広間で堀川と近侍である一期一振も一緒に洗濯物を畳む作業に勤しんだ。
いつの間にか和泉守兼定と前田藤四郎、平野藤四郎も手が空いていたのかせっせと畳んでくれている。
「兼さん…もしかして、それで畳んでるとか言わないよね?」
和泉守兼定の手元を見ていた彼女が不思議そうに言う。