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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第33章 幸せな痛み


何度も沸き起こりそうになる劣情を、奥歯を食いしばり無理やり沈めた。そんな己にほとほと呆れる。


「体は、平気か…」

「……うん」

「そうか…かなり無理をさせた、すまない…」

「ううん、そんなことない…」


ふわりと微笑む彼女に愛しさを感じながら抱き寄せて、再度口付けを落とした。


刀として、人間の側に長くいたことにより性の知識はあったが、実際に女を抱くのは初めてだった。

あの頃は人がまぐわうその行為が不思議で、理解が出来なかったが…

今ならわかる。

刀の頃には想像もしていなかったが、人の身を得て、その上で好いた女を抱けるなんて、それだけでこんなにも幸せで満ち足りた気持ちになるんだな…

いつの間にか腕の中で小さな寝息を立てている彼女の額に口付け、起こさぬようそっと起き上がる。

情事の後が色濃く残るその身体。

汗で濡れ、至るところに己がつけた所有印。
太腿はお互いの混ざり合った体液で汚れている。そして破瓜の証である薄い血が混ざっていた。

その酷く扇情的な光景に深く息を吐き、一通り彼女の身体を清めてからまた隣に潜り込む。

俺にしか見せない姿を目を細めて見つめ、愛しい温もりを感じつつゆっくりと瞼を閉じた。



大倶利伽羅side、終
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