刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第25章 真夜中の出来事
どうして襖を閉めたんだろうと一瞬疑問がよぎったけど、直ぐ様彼にいとも簡単に抱き締め返されてしまい、心臓がバクバクと暴れだす。
自分から仕掛ける分には慣れてきたのに、大倶利伽羅さんからされると相変わらず緊張してしまって、どうしても体が強張ってしまう。
もしかして、もしかすると大倶利伽羅さんが手を出して来ないのは私が必要以上に緊張してしまうせいなのでは…と唐突に頭に浮かんだ。
そうだ…彼は何度も私にそんな事を言っていた。だから、慣れてもらうって。きっと、そういう意味なんだ…。
私に合わせてくれていたんだ…
鶴丸の言うことが一理あるならば、私は大倶利伽羅さんに物凄く我慢をさせてしまっていたのかも知れない…。
それでも、自分から大倶利伽羅さんにその事に関して何か言う度胸も勇気もない。
一瞬でも不安になってしまった自分が情けなくて、大倶利伽羅さんに対して申し訳なくて、胸が締め付けられる思いに駆られた。
思わず彼の背中に腕を回して、ぎゅうっとした。
大倶利伽羅さんは無言で私を抱き締めていたけど、ふいに私の肩口に顔を埋めてきた。すりすりと頬を擦り寄せられ、甘えているかのようなその仕草に心臓がキュンと高鳴る。