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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第15章 大切な家族


いつまでも籠ってばかりいてはいけない。

いつまでも何も言わずに見守ってくれている、皆の優しさに甘えていてはいけない。

休みが終わったら本丸も通常通り稼働しなければならないのに…そう思いながらも心のどこかで、もうどうでもいいや、なんて考えてしまっている自分がいた。


──ふらりと自室を出たはいいけど、広間に行く決心がどうにもつかず、私はその足で馬小屋に行き、一人音をたてず体育座りをしてぼーっと馬を眺めていた。

暫くすると…カラリ、と馬小屋の引き戸が開く音がした。

誰かが入ってくる足音がしたが、咄嗟に足の膝に額をくっつけて俯いたので誰なのかは見えない。こちらに近付いてきて私の横にそっと座ったようだった。

泣き顔を見られたくなくて馬小屋を去ろうと思い、立ち上がろうとしたら、腕を掴まれそのまま引っぱられて、誰かの座っている足と足の間に収まった。


「我慢するな…泣きたいなら泣けばいい」


大倶利伽羅さんの声だった。

顔を上げると、悲しみに満ちたような金色の瞳と目が合った。
頬を優しく撫でられてから、包み込むように抱き締められて、その温かさに涙が溢れた。


「お、くりかっ…ぅ…っ、あっ……わああぁぁぁ!!」


抑えていた感情が一気に決壊し、そのまま大倶利伽羅さんの腕の中で彼にしがみつき泣くだけ泣いて、眠ってしまった。

泣いている間、彼は何も言わずにずっと抱き締めてくれていた。


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