刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第14章 それぞれの想い
「ギャアアアアアーーーー!!」
長谷部の叫び声が聞こえた。
はあ…大方国永の落とし穴にでも引っ掛かったんだろう…
「何があったの?」
そう言って慌てて立ち上がったこいつは、そのまま長谷部の方へと走っていく。
「おいっ!穴に落ちただけだっ」
聞こえなかったのか、あいつはそのまま行ってしまった。
「ぎょええぇぇ!」
「あ、あるじいぃぃい!!」
「…チッ!」
急いで駆け寄り穴を覗くと、こいつが見事に穴に落っこちていた。穴はかなり深い…怪我をしたんじゃないだろうか…
「おい、大丈夫かっ!」
酷く焦った俺を見てこいつが口を開いた。
「死ななきゃ安い」
なぜ、長谷部の口癖を??
手を取り引き上げて、怪我をしてないかと全身をくまなく見た。見たところ外傷は見当たらない。怪我はないのか…
安堵してこいつを見ると、目が合って、そのまま引き寄せられるように目が離せなくなった。
愛しい…、と思った。
俺は…こんなにもこいつの事を?