• テキストサイズ

イケメン戦国友の会コミュ出張所✨短編集✨

第3章 ラブリーディストーション(徳川家康)









「考え事なんて、余裕だね」




大好きな声と、身体中を疼かせる突然の衝撃に、また声を上げ身を震わせる私を。
彼は薄く笑ってみている。
いつの間にか身体を起こし、私の腰を固定するように押さえ。





「ねぇ、どうして欲しいの。

言ってみてよ」






また、意地悪な事を言う彼を、私は涙混じりの目で見つめる。
どうしたいか、正直に言えば手に入るのだろうか…
そんな考えがふと頭を過ぎった。
自分で願った形なのに、切なくて、馬鹿みたいに泣けてくる。




「家康が、欲しいっ…!」









―――――――――――――――










事が終わり。
一人身支度をする俺に、ぽつぽつと独り言の様な声がかけられる。




「家康、その…今夜も、有難う。

たまには、ゆっくりしていったらいいのに」


「…何言ってるの。

恋人でも無いのに、そんな事出来ないでしょ」


「…それも、そうね」







寂しそうに、今にも泣き出しそうな顔で俯くを見ていられず。
急いで身支度を終え、俺は部屋を後にする。



抱き合って眠るなんて。
優しい言葉をかけて、キスしてやるだなんて。


今の俺が何をしたって、「そういう狙い」に取られてしまうんだろう?
そんな事は絶対に許せないし、許されない。





「おやすみ、」





別れの挨拶を口にして、踵を返すと。
啜り泣くような声が小さく聞こえた…断ち切るように、わざと音を立てて扉を閉め。
手近の壁をどん、と殴った。





地位も名誉も、欲しいけれど。
それとあんたが欲しい気持ちは、別物なんだ――






そんな陳腐な台詞が浮かんで、苦笑した。
いつか伝える、けれど、今じゃない。
その日の為に、身体だけでも繋ぎとめようなんて…






馬鹿げているけれど、止められない。



/ 33ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp