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千分の一話噺

第21章 まさかの…


今日はタイガース対カープの試合を観戦にきた。
と言ってもウェスタンリーグだが…。

もちろん俺はタイガースの応援のつもりだったのだが…。
「あれ可愛い♪あれ欲しいよ♪」
連れてきた八歳になる娘が、カープ女子が振っていた小さな鯉のぼりに目を奪われていた。
「あれはね、敵チームの応援グッズだからこっちじゃ駄目なんだよ」
そんな大人の事情を言っても、聞きゃあしない。

「あれ買ってくれないと、ママにあの事言っちゃうから!」
大人の事情は無視しといて脅迫ですかぁ。
可愛い顔してなんて娘だ。
親の顔が見てみたい!(まぁ自分なんですが…)

「あ、あの事はパパと麻奈美の秘密だろ?
ほら、今日はタイガースの応援に来たんだし…」
「私、あっちが良い!」
言い出したら聞かないこの頑固さは誰に似たのやら…。

俺は渋々娘を連れてカープ側に移動した。
グッズショップに立ち寄ると、娘がすぐに『カープ鯉のぼり』を選んで購入、そのままカープの応援側で観戦することになった。

しかし、最近はカープ女子始め、全体的に女性のファンが増えて観戦の楽しみが増えた。
「あーっ!パパまた女の人見てる!
ママに言っちゃお」
「ご、誤解だ!麻奈美!
パパはこれからのプロ野球の事を考えて…」
って、なんで八歳の娘にこんな言い訳をしてるんだ俺は…。
「内緒にしてあげる♪
だから帰りにパフェ食べようね」
八歳にして末恐ろしい娘になってしまったようだ。


次から一人で来よう…。



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