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千分の一話噺

第730章 執念のアッパーカット


さあ、チャンピオンの反撃が始まった!

相手を寄せ付けない高速ジャブ!
切れのある右ストレート!!
とどめの左フックだ!!!

…7…8…9…10!

決まったぁ!チャンピオン防衛!!



挑戦者はフラフラとした足取りでリングを降りると同時に倒れ込んだ。

救急車で病院に運び込まれると、緊急手術が行われた。
一命は取り留めたものの後遺症が残った。
もちろんボクサー生命は絶たれた。

「放せ!!ボクシング出来ないくらいなら生きている意味がない!」
自暴自棄になった彼は看護師達に取り押さえられていた。

「そんなにボクシングがやりたいのか?」
白衣を着た白髪の老人が尋ねてきた。
「当たり前だ!
俺からボクシングを取ったら何も残らねぇんだよ!」
「…でもね、君、脳にダメージがあって、もう一度パンチ受けたら確実に死ぬよ」
「それでも構わない!
もう一度チャンピオンと戦わせろ!」
「…まあ、その執念なら大丈夫かな?」
白衣の老人は頷いた。
「どういう事だ!?」
「特別に君を治してあげよう…
彼を私の研究室へ運んでくれ」
白衣の老人は看護師に指示をした。

「…あいつは何者なんだ?医者か?」
看護師に聞いた。
「あの方は医学博士でロボット工学の博士でもある宇都宮博士です」
「…ロボット工学だと?」
「はい、あの方は医学で治しきれない病気をロボット工学で治そうと考えています」
「俺は実験台ってことか?」
「…麻酔打ちますね」
彼は意識をなくした。


半年後。


挑戦者の猛攻だ!
ボディブローからのワンツー!!
クリンチに逃げようとしたチャンピオンに必殺のアッパーカットが決まった!!!
チャンピオン、ダウン!

…7…8…9…10!

新チャンピオンの誕生だぁ!!


end


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