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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第5章 方程式のつくりかた❥明智光秀



光秀さんが言う。



私達は一人が居なくなったら0になると。



「つまりな。俺達は掛け算の関係なんだ。どちらかが居なくなったらどちらかが0になる。だが、二人がいるとそれは10倍以上になる。」




「だから、俺も、お前が居なかったら生きていけない。相応しいなんて考えなくていいんだよ。」

(光秀さん...)



光秀さんは優しい瞳で私を見下ろす。


その瞳に不安がかき消された私はようやく口角をあげた。


「ふふっ、そうですね」

「お、漸く笑ったな。お前は笑っている方がやはり可愛いぞ。」

「ま、またそんな事を...!」





そういう風にやり取りをしている光秀と華を見ていた香夜は呟いた。




「....あんなの、勝ち目、ないじゃない。」






______________________




それから数日が経ち、香夜さんは帰っていった。


だけど、私はあの人が悪い人とはどうしても思えない。


「じゃあ、また。ありがとうございました。華さん。」


そういって帰るときに私に向けられたあの微笑みは本物だと思うからだ。





___香夜さんを見送った後。


「さあ、仕切り直しをするか。」


「え?」



「一年の祝いをするんだろう?最近忙しかったし、お前が作ってくれた羽織も早く見たいしな。」

そう言ってまた光秀さんが笑う。


「えっ、!?」


(ばれてる...!?)




「はは、そういう顔が俺は本当に好きなんだよ。華。」


そういって優しい顔で私に笑いかける。








(光秀さんを信じて良かった。)


今なら心からそう思える。

光秀さんは、ずっと私を思ってくれていたから。

だから私も胸を張って光秀さんを好きだと言える。


(ほんとに、大好きだな。)




そんなことを思って、光秀さんの腕に手を絡めながら私達は部屋へと戻った。








二人の一年をお祝いするために。


終。
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