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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第37章 五月雨と恋の天舞曲❥織田信長




「え、信長様が!」

もう帰ってきていたのか。

針子の皆がにやにやとこちらを見つめる。

明らかに嬉しいと顔に書いていたからだろうか。


それにいたたまれなくなった私は慌てて腰を上げて天守へと急いだ。












「信長様、失礼します、華です。」


「あぁ、入れ。」


(っ...)


久しぶりに聞く信長様の声に心臓がどきりと高鳴るもそれを隠して天守に入る。


するといつものように信長様が前方に座っていた。

「こちらへ来い。」


信長様がひとつ声を上げる。

それに私は素直に信長様に近寄った。


そしてちょこんと信長様の隣に座る。

すると信長様もいつものように話しかけてきた。


「どうだった、俺がいない間は。」

「えーと、いつもと同じ、でした。」

「そうか。」



「「.....」」


いつもならここで会話が途切れる。

だけどさっき家康と話したことで少し元気を取り戻していた私は、私のありのままを伝えることにした。


「あの...信長様。」

信長様がゆっくりとこちらに目を向ける。

それを合図に私はそっと話しだした。


「私....信長様がいなくてすごく寂しかったです。」


「...」


信長様は相変わらず黙ったままだ。


「私は信長様のことが大好きなので....その、少しでも離れると寂しいんです。信長様がいないだけで...すごく心が空いたような気がするんです。」

これは信長様にも言ったことがない言葉。

すると信長様は少しだけ目を見開いた。


それでも私は続ける。


「私は、信長様がいないと、心の底から笑えません。信長様と一緒にいたくて、側にいたくて、たまらないんです。だから...今じゃなくていいです。これからはもっと一緒にいる時間を、増やしてほしいんです...。」


私の素直な言葉。

それを紡ぐも信長様はまた黙り込む。


それに少しだけ怖さを感じた。

(もしかして我儘すぎるとか思われたかな...こんなに我慢ができない女なんて思わなかったとか言われたらどうしよう、)



そう思ってぎゅっと目を瞑ったとき...




ふわっと温かいものに包まれた。



「..!」

それが信長様の体温だと気づくのに時間はかからない。

私が何もできずに硬直していると...






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