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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第23章 純白花嫁は貴方の為に❥豊臣秀吉




きっと今ここで想いを伝えてもなんの意味もない。

私はふるふると頭を横に振ると秀吉さんに向き直った。

「あの、その方はどんな方なんですか?」

やばい、声が少し震えてしまった。
秀吉さんが気づいていないことを願ってそっと聞く。

秀吉さんは気づいているのかいないのか微妙な表情を浮かべて言った。

「あぁ。安土の有名な武将だそうだ。かなり気品も良くて良い人らしい。」

(あれ...?)

だそうだ、という響きに少しの疑問を覚える。

「だそうだって、秀吉さんは会ったことがないの?」

私がそう聞くと秀吉さんは眉を下げて言った。








「あぁ、実はこれは...御館様の提案なんだ。」











(え...)

「え、信長様の?」

にわかに信じ難くて思わず聞き返してしまう。

そう、何故なら信長様は私の思いを知っているからだ。
ついこの前秀吉さんを見つめていたところ、後ろから信長様に見られ、そのままストレートにバレてしまった。

(信長様は知ってたはずなのに...)

どうしてそんなことを言い出すのだろうか。

もしかして何か信長様なりの企みがあるのだろうか。
いや、でも企みって何の企み...?私を見合いさせることで何か得られるのだろうか...


私が一人思考の波に揉まれていると...



「...御館様は、俺の気持ちを知ってた筈なのにな。」


「え?」

秀吉さんが何かを呟いた。

しかしその言葉は小さすぎて私の耳には入ってこなかった。

「どうしたの秀吉さん?」

私がそう問うと

「あー、いや、なんでもないんだ。」

秀吉さんは苦笑いを浮かべてさっと流した。

(また流されちゃったなぁ...)

秀吉さんが私に本心を見せてくれる日は来るのだろうか。

なんてまた悪い方向へと考えている自分が嫌になる。


そこで私は秀吉さんに声をかけた。

もうどうにでもなれ、という気持ちで。



「ねぇ秀吉さん、見合いの日はいつなの?」

その言葉を聞いた秀吉さんは一瞬驚いた顔をしたが、また元の顔に戻った。


「あ、あぁ。日はまた追って連絡するが...」

そこで切って秀吉さんは私をじっと見つめる。



なぜか、とても悲しそうな目で。


その顔を見ていたくなくてまた私は口を開いた。


「秀吉さん、どうしたの...?」


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