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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第20章 桜記念日『後編』❥真田幸村












「...むら。」


「きむら、」


「ゆきむら!」



はっとそこで俺は目が覚めた。

上を見上げると、華が俺を見下ろしている。

「もうーこんなとこで寝てたら風邪引くよ?季節の変わり目は気をつけなくちゃ!」



華が俺に怒っていた。

その言葉を耳に流しながら、俺は先程見た夢の内容を思いだしていた。

(なんの夢を見ていたんだろう。)


俺と華が初めて会ったときのことを考えていたらいつの間にか寝入ってしまったみたいだ。


(なにか、夢をみたような...)



そう、なにか、素敵な。



でも、それは思い出せない。

黙り込んでいる俺を見て華が心配そうに覗き込んできた。


「?幸村?どうしたの?」




だが、こんな素敵な女が目の前にいると、夢の内容なんてどうでも良くなる。




俺はそっと華を引き寄せて、抱きしめた。


「ゆっ、幸村!?どうしたの!?」

何回も数えられぬほどこうして抱きしめたというのに華はまだまだ初心な反応で、頬を染めている。


そんな華が更に愛おしくなって、もっと抱きしめる力を強くする。


「わわっ、幸村!ほんとにどうしたの?」

華がまた俺の顔を覗き込んでくる。


それに、俺はようやく答えた。




「なぁ、あの頃のこと覚えてるか?」

「あの頃って?」

華が不思議そうに聞く。


「俺とお前が初めて会った日。」

「あぁ、あれは...」



「「桜記念日」」



「でしょ?」


華が得意気な顔で俺を見つめる。


そう、俺達が初めて会った日。それを俺達は桜記念日と呼ぶことしていた。


初めて会って、恋をして。

色々ありすぎた。

でも、今となってはそれもこの恋を手に入れるための試練だったと思える。

現に今、この幸せのかたまりを手にしているのだから。





「なぁ、これからあの桜のところに行かないか?」
俺はそっと提案する。

「え、あそこに?」



華がぱちくりとした目で俺を見つめた。


__________



「わあ、やっぱり綺麗だね...」

「あぁ。」

桜は、満開でこそないものの、美しく咲き誇っていた。



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