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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第20章 桜記念日『後編』❥真田幸村




私は天守の前につくと、

中にいるであろう信長様にそっと声をかけた。


「信長様、華です。」

すると中から低い声が聞こえる。


「あぁ。入れ。」

その言葉で私はそっと天守の中へと入った。


信長様の声がした方を見ると、

信長様が一番奥でゆったりと座っている。


「あの、どうなされたんですか...?」

私は早速本題に入るべく信長様に話しかけた。

「あぁ。突然だがな。」




「貴様を安土城から出すことにした。」





(え?)




「...え!?」


本当に突然過ぎて頭が追いついていない。

「あっ、あの、一体どういうことでしょうか」


「なんだ、そのままの意味だが。」

信長様は淡々と私を見つめて言った。

私は慌てて信長様に物申す。

「私は、ここを追い出されたら行くところが...」


そこまで言うと、信長様は私の言葉を切って、言葉を紡いだ。




「いや、貴様には行くべきところがある。」




(...え?)


「行くべき、ところ、ですか?」

なんのことかわからない。

信長様が少しだけ口の端を上げた。

「あぁ。それは貴様が一番良く分かっている筈だが。」


(私が行くべきところ...?)

そう言われても何も出てこない。

本当になんのことか分からない私は頭を捻らせるも、やはり何も出てこなかった。

「あの、本当に何か分かりません...」

私が口を開くまで黙っていた信長様が少し呆れたように言った。


「貴様は、笑っていなくてはならない。そして、笑うべき場所はここではなく、」




信長様がふっと、笑った。








「好いた男の、隣でな。」












「え、」

(え?)

体が固まる。


信長様がそんな私を見てまた笑った。

「なんだ、ここまで言っても分からないのか」


「っ、いえ、あの、それって、」


私は大幅に取り乱してしまう。



ねぇ、それって、幸村の、こと...?


「幸村の、こと、ですか...?」



私が信長様に問うと、




「それ以外に何がある?」



信長様がそう答えた。


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