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妖精の夢~Another Story~【気象系BL】

第1章  Red fairy doting



翔は智の姿を見ると、すぐに立ち上がり

翔「…智。今 何時だと思ってるんだよ!!!」

コソコソとリビングに入ってきた智は

智「げ。翔君…」

隠れる間もなくあっさりと翔に見つかってしまった。


翔「お前・・こんな時間まで何をしていたんだ!!」

頭上から投げ掛けられた声には、

怒りが含まれていて。


智「べ、別にどこでもいいだろ…。

俺だって子供じゃないんだし・・・・」



智は一瞬気まずそうな顔をしたが、


すぐに目を逸らした。

面倒くさそうにソファーにドカッと座る。


智はいい加減、うんざりしていた。

大人の妖精になって、

自由に人間界に行けるようになったのに・・・


自分の好きな事を

心置きなく できると思っていたのに・・・


昔から"超"がつく程の過保護の翔君に

人間界行く時は、カズを連れていけだの・・・

潤と一緒に居ろだの・・・

うるさくて仕方がない!!!


おまけにすぐに、何時に帰って来る?

どこへ・・

誰と・・・

事細かに言わないと 家から出してもらえない事もあった。


例外もなく、今回もそう。






智「うるさいなぁ~

…妖精のシゲと釣りに行ってた だけだよ

仕方ないだろ・・・

誘われたんだから・・」


智はムッとしながらも、真実を述べる。


翔「智!がそんな口の利き方すなんて・・・。

お前また、闇の妖精と仲良くしているのか?」

智「はぁ!?いい加減にしろよ!!」



智は
(まだ、闇の妖精の事こだわってるなんて・・・馬鹿じゃないの!!)

と思ったが

これ以上何か言ってもまた反論され

余計に労力を無駄にすることくらい分かりきっていた。

これ以上翔君と話していても

埒が明かない事を解っていたから

ここは逃げるが勝ちだと思い

智「…はいはい。すいませんでした。次から気を付けます」


智はぶっきらぼうにそう言うと、

部屋へと向かおうとした。

翔「…待て」



その腕を翔に掴まれた瞬間。



逃げるが勝ちの法則は

一気に崩されてしまったと、

智は悲しくも容易に判断できてしまったのだった。







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