• テキストサイズ

H・I・M・E ーactressー【気象系BL】

第10章 日常4:彼のベッド


「ふ〜、食った食った」

自分の分と、僕が残した半分くらいをペロッの平らげた櫻井くんが、ちょっとだけ出たお腹を摩った。

ってゆーか、病気なのにちょっと食べ過ぎじゃない?

まあでも、お腹が空くのは元気な証拠って言うし…、朝からろくに食べてなかったみたいだから、そんなに心配しなくても平気かな(笑)

「大野くん、風呂どうする? 入るなら準備するし…」

「い、いいよ…、そんなに汗もかいてないし…」

それに病人にお風呂の支度までさせるわけにはいかない。

僕はテーブルの上を片付けようと、空になったお皿を重ねた。

そして、僕の部屋を埋め尽くしてしまいそうなテーブルに手を伸ばしたその時、

「あっ…!」

僕の肘がグラスにコツンと当たってしまい…

やばい!

そう思って咄嗟にグラスに手を伸ばすけど、その時にはもう遅くて…

テーブルの上をコロコロと転がったグラスからは、僕が飲み残したジュースはテーブルの上に零れ…

「冷たっ…!」

僕のセーターとジーパンを濡らし、ついでにパンツも濡らした。

「あーあ…」

「ご、ごめん…。すぐ片付けるから…」

僕はべッチョリと濡れたパンツに不快感を感じながらも、タオルを取りにキッチンへと入った。

はあ…、僕ってばどうしてこうなんだろ…

自分のおっちょこちょいっぷりに落ち込み、盛大な溜息を落としながら、タオルでテーブルを拭いていると…

「貸して?」

「い、いいよ…」

「いいから貸せって…」

櫻井くんが僕の手からタオルを奪い、テーブルの上を何とも適当に拭き始めた。

「ごめん…」

「いいよ、気にすんな。それよか…」

櫻井くんがニヤニヤと笑いながら、僕を足の先から頭のてっぺんまで、舐めるように見た。
/ 753ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp