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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第3章 野菜炒めとシンパシー







07月25日




目覚めると古びた天井が見えてここが私の部屋だと理解した時にはガバリと飛び起きていた



「おはよう。」



と、単調に響いた声を辿れば座椅子に腰掛けた彼の横顔が見えて胸が熱くなる


ちゃぶ台に置かれたマグカップからコーヒーの香りが漂う朝


カーテンから漏れる太陽が部屋を温かく照らして

そこに当たり前の様に彼が存在している事が夢みたいだと思った



「おはようございます、イルミさん早起きですね!」



「沙夜子が遅いだけでしょ。」



なんて気だるく長い髪をかき上げる彼の仕草に笑った私は今この瞬間の幸せを贅沢に噛み締めていた



今日の予定は彼とショッピング



本格的に二人で生活するのだからと色々日用品を買い揃える約束をしているのだ


きっちり身支度を済ませた彼の隣で寝癖全開の私は嬉々として外出準備に取り掛かる


相変わらず私が起きるまでテレビを付けない律儀な彼がリモコンに手を伸ばすのを横目に洗面所に飛び込んだ



久しぶりに着る私服


正直今此方の世界で流行っている格好はわからないけれど一年で浮くほどの変化は無いだろうと考えながらも
無難なジーンズとTシャツを選んだ私は小心者だが

その分張り切ったメイクで気持ち綺麗目に仕上げた



「行きましょう!」


「うん。」



良く晴れた夏の空に蝉の声



目指すは激安の殿堂ド○・キホーテ



私達は赤い自転車に二人乗りしている


運転手は私より運転上手な彼でドキドキしながらもお腹に腕を回せば彼は少し振り向く素振りを見せたけれど何も言わなかった




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