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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第1章 帰路に付く









東京駅から出発する新幹線に私達は乗り込んだ

指定席のチケットをポケットに仕舞い込み動き出した車窓からは大都会の高いビル群が見える


忙しなく行き交うスーツ姿の人や同じ新幹線に乗り込んだ乗客は久しく私と同じ様な顔立ちの人達





………間違いなく私の世界だ




真っ青な空にギラギラと眩しい太陽がコンクリートジャングルを照らす光景を眺めながら
そういえば私達の世界は昼夜が真逆だった事をぼんやりと思い出す




そして私は隣に感じる彼の姿に目を向けた




向こうの世界は所謂洋風な異国情緒に溢れ、顔立ちも濃い人が殆どだった


そんな中でも浮いた存在だった彼が此方に来てみれば常軌を異する雰囲気を放ち始めた


彼の世界なら街角でも映画のワンシーンの様だったのに味気ない新幹線の中ともなると途端に異彩を放ちその美貌を遺憾無く発揮している



……本当にそこに存在しているのか


不思議な程に無機質な彼は美しくその長い睫毛をゆっくりと持ち上げた



元の世界に帰って私が発した第一声は「イルミさん……本物ですか?」だった



自分に都合の良い夢や、はたまた幻を見ているのかと彼に触れて何度も確かめた私に

彼は「沙夜子は本当に馬鹿だね。」と私の名を優しく呼んで僅かに微笑んだ



そして新幹線に揺られながら漸く現実の事と受け止め始めた途端に眩い程に輝いて見えて

何処かから後光でも差しているのでは…………なんて馬鹿げた事すら考える

本当に何度思ってもキリが無いが彼はこの世の何よりも美しいのだ




「イルミさん…………綺麗ですね」



「……………。」




ポツリと漏れた本音に彼は冷ややかな視線を向ける


その涼しい眼差しすらも私には逆効果なのに………なんて内心身悶えながらも

ふとある疑問が頭に浮かんだ







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