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【黒子のバスケ】冷たくて優しい

第3章 彼の心


「…あ、さつきちゃん」
「なんだよ…さつき」
「大ちゃんに用はないの!」
「チッ…んだよ」
不貞腐れる大輝くんを他所に

「ゴメンねーちゃんデートの邪魔して…」
可愛く顔の前で手を合わせながら上目遣いでー
「実は…お願いがあって」ー

本当に可愛いなーと思いながら

「それでお願いって?」
「…実は…この制服着てバイトしてもらえないかな?」
ーと言って差し出されたのは可愛いけど…スカート短めのウェイトレスの制服。

ーさつきちゃんの知り合いの先輩の代わりにクラスの子と一緒に1日バイトに出てくれないかと頼まれていたー

ーが、その子が出れなくなり代わりの子も見つからず困って私に頼んできたようだ。

「…えっと、用事もないし…」と言おうとするとそれまで黙って聞いていた大輝くんが
「やらねーよ!大体、にこんなもん似合わねェよ。」
「……。」
「ちょっと!大ちゃん!何てこと言うのよ。ちゃん小ちゃくて可愛くてフワフワしててスタイルも良いのに似合わないわけ…」
「さつきは黙ってろ!…つーか、他にいんだろ…別のヤツ探せよ」

顔は先程の険しい表情のままグサリと私の胸をえぐる言葉の数々が彼の口から溢れ出る

「…ゴメンね…やっぱり迷惑かけるといけないから…」
ハハハッと言って何とか笑いながら

「…大輝くんも、そんな言わなくても似合わないって…私ちゃんと自覚してるし…」
「…ちがッ、!」
「あ、えと用事あるんだった!ゴメンね…大輝くん。さつきちゃんと一緒に帰って」
「ちゃん…」
そこまで言うのが精一杯。

これ以上この場にいたら何だか惨めで泣いてしまいそう…

じゃあね…と言い大輝くんが後ろから呼び止めるのも聞かず、その場から逃げるようにして離れる。
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