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【イケメン戦国】新篇 燃ゆる華恋の乱☪︎華蝶月伝

第20章 君色恋模様《後編》* 真田幸村




「幸村はまだ来ないのかな」

「さっき信長様達が到着されたみたいだから、そっちと話してるんだと思う。でも、もう来るはずだ」

「そっか?信長様達も久しぶりだなぁ」 



今回の祝言には、信長様と秀吉さん、そして家康の三人が来る事になっている。
家康が来るのは、佐助君が呼びたいと熱望したからだ。
信長様は保護者みたいなものだし、秀吉さんも兄代わりだし……
何にせよ、安土城のみんなと会うのもすごく久しぶりだから、会えるのが楽しみだ。

と、その時。
廊下を忙しなく歩く音が聞こえ、勢いよく襖が開いた。



「悪い、遅くなった!」



開いた襖から顔を出したのは幸村だった。
白い袴と羽織姿、髪も微妙にセットされていて、その姿を見た途端、思わず心臓がドキリと跳ねた。


(っ、かっこいい……)


普段とは違う見慣れない姿に、つい鼓動が駆け足になる。
幸村ってやっぱりカッコイイなって、見惚れてしまうほどに。
だが、幸村も私の姿を見て、顔を赤くしたまま固まっている。
変かな、白無垢…似合ってないかな。
それを聞こうとした瞬間、幸村が口を開いた。



「……馬子にも衣装ってやつか」

「は、はぁ……?!」

「幸村…それ、言葉の選び方間違ってる」

「うるせー、じゃあなんて言えばいいんだよ、佐助」



(……信じらんない!!)

馬子にも衣装って、見た目を整えれば、どんな人でもそれなりに見えるって意味じゃなかった?
『綺麗だよ』とか普通は言うんじゃないの?!
思わず私は立ち上がって、幸村を睨む。
そのまま口から出たのは、心にもない言葉だった。



「幸村だって着せられてる感満載じゃない!」

「はぁーー?!お前ほどじゃねえし!」

「何よ、それ!」

「んだよ」

「二人とも、どうどう」







​────結局、私達はいつもそうだ







売り言葉に買い言葉。
お互いに素直になれなくて、祝言当日までいつもの私達。
だけど、それがいつも通りの私達の形。
ケンカして仲直りして、ケンカして仲直りして。

そうやって、また絆を深くしていく。

きっと私達は一生こんな風なのだろう。
それでも、一生一緒に居られるだけで幸せだ。
今日、私は大好きな人の元に嫁ぎます。
乱世に飛ばされ、運命の人に出逢ったから。



ね、幸村?






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