第5章 色の世界
「いいじゃん、少しくらい。でも、思った以上に軽いね」
「みんなは先に帰っててくれ。俺は○○を、デカパンのとこに連れて行く」
「おいおい、カラ松。兄ちゃん悲しいぞ?みんなで行くに決まってんじゃん」
カラ松は、フッと笑った。
「分かったよ。」
デカパンの研究所に着くと、中ではすでに、デカパンが待っていた。
「おお、チミたち!待ってたダス!いいのができたんダス!」
テーブルの上には薬があった。
「これは、その子が能力をコントロール出来るようになる薬ダス。つまり、必要な時にだけ能力が使えるように出来るんダス」
「デカパン!すごいじゃないか!」
「これは、ワシだけでは出来なかったことダス。イヤミに頼んで、手に入れてもらったんダス」
おそ松たち全員が、信じられないという顔をした。
「イヤミもあれで、いいところもあるんダスよ?」
奥からイヤミが出てきた。
「感謝するザンスよ?ミーの人徳がなければ、手に入らなかった物ザンス」
「ああ、恩にきるぜ!」
「うっひょっひょ。いい気分ザンス」
早速カラ松は、○○を起こす。
「ここは…、確かデカパンの…」
「これを飲め」
○○はカラ松に渡された薬を飲んだ。
「目を、開いてみろ」
「えっ?!」
「いいから」
カラ松に促され、誰も視界に入らないように気をつけて、目を開いてみた。熱線は、出ない。
「チミが敵だと思った相手にだけ、熱線が放たれる薬ダス。作るのに時間がかかったダスが、出来たんダス」
「あああ……!!色の世界だ…!カラ松!!」
カラ松に振り返ると、両手を広げて待っていた。迷わずその厚い胸板に飛び込むと、しっかりと抱きしめられた。
「カラ松!カラ松!」
「ちょっとー。俺たちはほったらかしぃ?お兄ちゃん、泣いちゃうよ?」
おそ松たちの方を向く。
「「おおぉおおお!!」」
○○の美しい目に声をあげるおそ松たち。
「すげー!そんな綺麗な目をしてたんだな!」
パシャ!
「えへっ。綺麗な目を記録しないとね」
デカパンがなにやら持ってきた。
「○○ちゃん。これを敵だと思ってみるダス」
床に置いて、離れた。○○は東郷の顔を思い出す。すると熱線が放たれた。
「おー!」
おそ松たちが歓声をあげる。
「攻撃もできる!」