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【R18】初恋を君に

第5章 幸せな時間


「じゃあ、ここだから。」

「おう。またな。」

「うん。」

兄さん家にいるかな?
見てないといいけど・・・
僕が家に入ろうと玄関の扉を開けると兄さんがタイミングよく出てきた。

「綾斗?おかえり。」

「た、ただいま・・・」

「誰?」

兄さんが柊に気づいて尋ねてきた。

「こんにちは。綾斗の友達の柊真織って言います。」

「友達?珍しいね。今から遊ぶの?」

全身の鳥肌が立った。
怖い。
また怒られる。

「ううん、違うよ。僕が体調崩したから送ってもらったんだ。」

「そうか。それなら上がっていきなよ。お礼しないと。」

「いえ!綾斗の体調も心配ですし、今日は早く休まれてください。俺もすぐ帰りますので。」

「じゃあまたの機会に来なよ。」

「ありがとうございます。じゃあな、綾斗。」

「う、うん。」

兄さん機嫌が悪い。
昨日のことを思い出して身体が震えた。

「綾斗、大丈夫か?」

柊が心配して声をかける。

「大丈夫だよ。またね。」

無理に笑顔を作り柊を見送った。

「綾斗の好きな人ってあの子か。・・・邪魔だな・・・」

「兄さん!お願い!柊には何もしないで!」

「・・・俺が何しようと口出しすんなよ。綾斗は俺の言うこと聞いてればいいから。」

柊に何するつもりなんだろう・・・
殺す?
でも流石に兄さんもそんなことしないよね・・・

「兄さん・・・お願いします・・・柊には・・・」

「綾斗・・・口答え?」

「あ・・・違います・・・そんなんじゃ・・・」

僕は家の中に髪を引っ張られ入れられた。
家族にバレないようにそっと2階へ上がる。

「痛い・・・兄さん・・・離して・・・」

「うるさいな・・・」

内側から鍵をかけ閉じ込められた。

「綾斗・・・」

「ひっ・・・ごめんなさい!」

「お仕置きだ。」

「いやだ・・・お願いします・・・許してください。」

「・・・男と一緒に帰ってきて・・・許して?・・・綾斗は我儘だね。」

「いや・・・兄さん・・・んぐっ!」

まただ。
また今日も殴られる。
消えても直ぐに傷が増える。

「かはっ・・・あ・・・にいさ・・・かふ・・・」

「あー、いい顔・・・綾斗・・・可愛いよ。」

「にいさ・・・」

兄さんの躾はいつもよりハードだった。
下手したら母さんにバレちゃうくらいに。

「ごめんなさい・・・」
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