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植物図鑑【リヴァイ/進撃の巨人】

第11章 「ノビル/セイヨウカラシナ」





『わー、ちっちゃいタマネギみたい!』




「ここを切らずに掘るのが難だ」




『抜くだけじゃ駄目なの?』




「途中で切れて泣くのがオチだ」




『切れたら泣くくらい美味しいんだ?』




「そこら辺は楽しみにしとけ」




『これ何ていうの?』




「ノビル」






答えながらリヴァイは細長くて
コシのない葉ごとノビルを
レジ袋に入れ始めた。





「チッ.....手が汚ねぇな」




『軍手持ってくればよかったね』





リヴァイの手はもう土まみれだ。





『ちょっと難しそうだね?』





植物をいじり慣れたリヴァイが、
あれだけ気を遣って
ようやく彫りあげたのだ。




さやかに同じ真似が
できるとは思えない。





「俺が掘るからいいぞ。手も汚れるしな」




『そんなこと気にしないよ......』





手が汚れるから土に触りたくない。




リヴァイにそういうタイプだと
思われたくなかった。




きっとリヴァイの好きなタイプは
こういうことを一緒に楽しめるような子だ。




最初の狩りで犬のオシッコが
どうこうって引いちゃったから




苦手なタイプだと思われたのかな。





と、リヴァイは不意に小さく笑って
腕を挙げ、腕でさやかの頭を撫でた。




胸の奥がくすぐったいように締まる。





「さやかが気にしないのは分かってる。
手が汚れるのを気にする奴だったらこの前
ツクシを欲張って取ったりしないもんな」




『欲張ってって!ひどい!!』





胸キュンが一瞬で吹っ飛んだ。




返せ!





確かに採りすぎた、





採りすぎて後で苦労したが、





欲張った訳ではなく
楽しかっただけなのに!





さやかは膨れっ面になったが、




リヴァイはそれを
面白がっているように見てくるだけだ。




そして次の株の一群を掘りながら言う。


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