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恋して、ヴァンプ

第1章 恋して、ヴァンプ





「は……っ、ふ、ぅうんっ」



声を押し殺しながら震える彼女の体が崩れ落ちるのを支えるように、足の間へと自分の右足を差し入れた。
押し付けた壁と、俺の右足だけが今、彼女の体を支えている。
そんなことを考えるだけで、下半身に集まる熱の塊。
彼女の匂いに、興奮する。
体温に。
表情に。
快感に抗おうと耐える、その仕草に。

彼女の全てに雄としての本能が、研ぎ澄まされていく。









「お、わった?」





「うん、ごちそうさま」




首筋についた血液を綺麗に舐めとってから、首へと埋めていた顔をあげれば。
とろん、と蕩けた顔で俺を見上げる彼女と、視線が絡んだ。

「気持ちよかった?」

「うん……」




ああ、駄目。
やっぱり無理。


「凛ちゃん」


我慢なんて。
お預けなんて、絶対無理。



「ごめん、やっぱりもう少し、付き合って」


足の間に差し入れた右足はそのままに、彼女の左膝裏へと手を回す。

「ぇ」


さっきの『行為』のせいで、まだとろんと蕩けたままの彼女の反応が遅れたのを利用、して。
そのまま熱の塊を、彼女の中へと突き刺した。


「…………ッッ」



同時に、強引に上を向かせた状態のままに、彼女の唇をも奪う。
小柄では決してない彼女だけど、20センチの身長差は、立位での挿入を困難なものにしてしまうものだ。
たぶん無理な体勢でのこの行為も、キスも、負担がかかるのは彼女なのに。
わかっていても、やめてあげられない俺はたぶん彼氏失格なんだろう。
それくらいに。
彼女の『匂い』は俺の人格さえも変えてしまうのだ。


「ごめん凛ちゃん、肩噛んでいいから、声我慢できる?動いていい?」

動いていい?なんて、どんな答えが返ってきてもじっとしていることなどできないくせに。
彼女からの答えを、『イエス』が欲しくて。
つい聞いてしまうのだ。
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