第3章 幸せはお金じゃ買えない…*
私を抱いたままビルの通路を歩いていく
目の前にいた黒服の男たちが異変に気づき近寄ってきた
「あんたらにもう用ないからー」
神威は楽しそうにしている
私は恐くて目を両手で塞いだ
((あれ?…逃げられたのかな?))
ゆっくり目を開けると血の海が広がっていた
神威の手はいつのまにか相手の血で赤く染まっていた
昔と同じだ…
震えと涙が止まらなくなった
「ごめんね、また恐い思いさせて。もう泣かせないから」
その瞬間神威の目が開いた用に見えた
意識が遠くなっていく…
視界が真っ暗になった
目を開けると目の前に神威がいた
ベッドの上にいる…
あの時意識を失ったみたいだ
『ここは?』
「俺の船の中だよ」
『!?』
なにがどうなったのかわからなかった
神威は笑顔で話してきた
「社長が君を普通に譲ってくれたんだヨー♪ちょっと手を出しただけで社長動かなくなっちゃったんだぁ」
殺したんだ…やっぱりこの人恐い…
でもそれを聞いて安心している自分がいる
私の辛かった思い出を全てなくしてくれた
私はつい抱きついてしまった
『…神威さんありがとうございます』
頭を撫でられた
「じゃぁ今日から君は俺の嫁♪」
『えっ!?いきなりすぎですっっ////』
こんないつも笑ってる人が私の感情を動かせると思わなかった
これからここで一緒に生活していく
幸せになれるといいな…