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貴女を救うため、私は何度もタイムリープする。

第2章 さぁ、今回も頑張りましょう。


私の名は・リリアナ…悪役令嬢の友人Aにあたる。立ち位置とすれば悪役令嬢の言葉に対して「そーよ!そーよ!」と後ろで声を合わせるような役回りだったような気がする。脇役の脇役で、乙女ゲームにも出ていたが顔がのっぺらぼうであった薄い印象でしかない。

しかし転生トリップした先が乙女ゲームの世界だと知った時は嬉しさが2割、攻略者達と関わりたくはないが8割であった。私の扱いと言えば、侯爵家の生まれでありキャロライン・ガブリエラ公爵令嬢の友人と言っていいのかは分からないが…付き人かも知れないそんな役割である。彼女…キャロラインは乙女ゲームで言う所の悪役令嬢ポジションであり、ヒロインを陥れようとするライバル役。しかしこの乙女ゲームはかなりのクソゲーであり、甘ったるい恋愛要素だけの内容は幼稚なうえに薄っぺらい。最初から最後までヒロインを大好きな攻略者達と青春するような異世界学園モノの物語だ。

私は大きなため息をつきながらも…羽ペンを手に取り羊皮紙に文字をつづって行く。日本語で書いている為、暗号にしか見えないだろうと思う。私はかれこれ6、7回目のタイムリープを繰り返していた。過去、と言えばいいのか未来、と言えばいいのかは分かり兼ねるが…思い出して見ても最悪な思い出しかない。正直に言えばかなり思い出したくはない乙女ゲームの登場人物を当てはめていく。

最初に…「恋は花より美しい」というお花畑を思わすような激甘な王道学園、ファンタジー乙女ゲームである。異世界に突然トリップして来た平凡のヒロインが、学園を楽しみつつイケメン達と恋に落ちるというざっくりとした話しだ。
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