第6章 気持ち
話終えると、ちゃんは目を伏せた。
『ごめんなさい。こんな話しして……。汚い、って思いましたか』
「全然汚くなんか無い。ちゃんは綺麗だよ」
僕がそう言うと、ちゃんが顔を赤くした。
あれ、僕は何を言ってるんだろう。
「あ、いや、これはそのッ」
確かに、ちゃんは綺麗でかわいいけど──
きっと僕の顔も赤いだろう。話題を変えようと、彼女に話しかけた。
「で、でも、何で僕なんかに教えたの?」
ちゃんの顔はまた、赤くなった。
『敦さんの事、信じてるからです……』
信じてる。
そう言われると、少し照れくさい。
「この事は他の人には...」
『話してないです。敦さん以外にも話すつもりも無いです...』
「じゃあ、2人だけの秘密だね」
僕がそう言うと、ちゃんは、吸い込まれそうな程綺麗な双眸を左右に動かした後、微笑んだ。