• テキストサイズ

夢の続き【アイナナ】

第9章 九条天夢(新人アイドル)2 ※微裏


#3
「あたたた……」
ひどい便秘で、出そうででない。
仕事できた沖縄。青い海、青い空。
ところが、ホテルのベッドにうずくまっている。
私ではなく、あの九条天が。

「薬、買ってきたよ。はい、あとお水も。」
「ん…ありがと…」
素直に手渡された、薬を水で流し込む。
「………」
思わず、少し苦しそうな天を見つめた。
「……何?」
「あ、ううん、天でもこういうことあるんだなあ、と思って。」
「そりゃ、あるよ。たまには。…ところでメンバーとマネージャーには気づかれてないよね?」
「あ、部屋にきたこと?」
「違…そうじゃなくて……ボクが…べ、便秘だってこと…」
「あ、うん……ていうか、知られたくなくて、私パシらせたんだね…」
「そりゃそうでしょ…あっ!」
「何?」
「ボク、トイレ行くから、もう自分の部屋戻って!」
お腹を抱えて、天がトイレに駆け込む。
「え、時間あるから待ってる」
「いいから!」
そういって、無理矢理、部屋から押し出されてしまった。
バタンと扉を閉められ、しかたなく一人で街にでて、ぶらぶらした後部屋に戻ろうと、ホテルのロビーに向かった。そこで、酔っ払った八乙女楽と十龍之介にばったり、あった。

「おー…夢花!天といっしょだったんじゃないのかあ?」
「あ、その…天は部屋にいたいらしくって…一人で散歩した帰りです」
「おー、なら、一緒にこないか?飲もうぜ」
そういって大量のコンビニで買ったお酒やおつまみの袋をみせた。
「えええっ私、未成年ですし!」
「んなこと、わかってるって!そこの売店で、ジュースとアイス買ってやるから、天の話も聞きたいしさ」
「んー、じゃあ行こうかな…?」
「おおし、こいよ」

二人についていこうとした、その時。
「アイスくらいで、ホイホイついてかないで」
後ろから、ため息と、透き通る声が聞こえた。
振り返ると、さっきとは、うって変わって、キリッとした表情の天がいた。

「天!もうお腹大丈夫なんだ?」
「ちょ…夢花…余計なこといわないで」
「あ、そうだった」
思わず口を両手で押さえた。

/ 127ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp