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愛玩彼女

第16章 契約、更新


だいたい、このふたりに何言ったって結局ふたりのペースに流されるだけなんだ。
だから覚悟、決めてそう、俯きかげんに呟け、ば。



それが絶対最善の策だと思った。
策士、策に溺れる、的な?
まさか逆効果なんて、誰が思う?



あまりにも返答も反応もなくて。
そろー、っと顔を上げた瞬間。




………後悔した。






「………ぇ」



だってもう、野獣の目、してるし。





「いつもの威勢どーしたよ、従順すぎんだろ」
「かわいすぎて無理、ライちゃん」



何が?



あたしもいろいろ無理かも。




「ぁ、じゃぁシャワー……」



さすがに危機を体も頭も察知したらしく、すでに逃げる体勢は整った。
でも。



「だめ」



「………っ」




透の膝の上から解放されないまま、抱き寄せられてさらに密着する体。
に。
透の熱い舌が、首筋を這った。



「んん……っ!?」




ついでに。
顎をとられて、今度は斗真の熱い唇が重なる。







ビールの苦さにクラクラするのか、息苦しさにしてるのか。
よくわからなくて。
次第にボー、としてくる頭。
と。
徐に、当たり前のように服の中へと入り込んだ指先は意図も簡単にブラのホックまで器用な手付きで外していく。


「んん……っ!?」



両腕をさすがに透の肩へと回して抵抗するけど。
ぎし、って、軋ませながらベッドへと身を乗り出した斗真に、後頭部さえ押さえ込まれて逃げ場を失った。







「………っ、待って!シャワーはっ!?」
「あと」
「ぃやいやいやいや、あとじゃないし」



だっ、て。
家出る前、あたし……っ。




思い出して真っ赤になったところで、斗真と目が合って。



「なに?」




わざとらしくニヤニヤするとか、ほんと最悪。




「………っんでも、なぃっ」


「じゃあ、問題ない?」
「ぃや、それはある」
「ここまでして?」
「………勝手に、透が脱がせたんじゃんっ」
「万歳してたし、ライちゃん」

「………っ」




それは、だって………。




「ごちゃごちゃうるせーよ」


「………っひ、っあ」



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