第15章 Chapter 14
ザッカリーは人生の中で一番焦っていた
あの破片に映っていたのはこちらを覗きこむ“目”だ
クイーンは目をめったに使わないしガーディアンはガラス玉を扱えない
パブロやエルセン達も扱えない物だ
そもそもクイーンに関しては目なんて使わなくてもなんだって分かる御方なのだからありえない
そうなると可能性は一つ
バッターだ
前に「バッターの目ってどうなってんの?」と聞いたら見せてくれた時があった
そこには眼球がなく、真っ黒なぽっかりとした穴があった
彼はこの状態でも見えるらしく別に不便ではないと話していた
この“目”はよく見えると言ってたが「眼球がないのによく見えるわけないじゃないか」と自分は笑っていた気がする
確かにあの黒はバッターの目だった
ああ、オレはなんて過ちを…!
バッターがガラス玉を扱える人物だとは思ってもいなかった!
一番安全なここが一番危険になっちまったって訳だ
こいつはクイーンに怒られるだけでなくシュガーに呆られちまうよ
「ザッカリー?そんなに唸ってどうしたの?」
「えっ、あ、ああ?気にすんなって」
どうやら無意識に唸ってたらしい
せめて気をしっかり持たないと誰が彼女を守る?
「ほんと?なら良いけど…」
心配そうにこっちを見ているプレイヤー
身長的に上目遣いになってて…
「いっいひゃ!?」
プレイヤーの頬をグニッと引っ張った
いけない…変なことを考えてはいけない
「…HAHAHA!油断してるからだぜプレイヤー」
パッと手を離してやると少し赤くなった頬を擦りながら恨めしそうにこちらを見てきた
「いきなりなんなの…」
「そこに暇そうなほっぺが合ったからさ!」
ザッカリーは心の中でホッとため息をつきながらプレイヤーをからかって遊んだ
オレなんかが持ってはいけない感情を手にいれてはいけないのだから
そうだ、別のことを考えればいい
…………
それにしても何故あんなにもプレイヤーに執着するのだろうか
バッターはあんな男じゃなかった
狂ったのか理由があるのか……いや、むしろアレが彼の本性か
…嫌な想像はここらで終わりにしようか
気分が悪い