第9章 Chapter 7
帰らないという選択は精神的にダメージが入っていた
向こうの世界には家族が居て友達も居る
冷蔵庫の中にあるプリンは食べられなくなるだろうし二度と大切な人たちに会えなくなるのは幼い私には耐えられないことだった
だからと言って人を殺してのうのうと生きていける気がしない
この世界がゲームの世界だからってリアルで皆を殺すのはできない
この選択で正しいんだよね…私?
いつの間にか後ろにバッターが居て声をかけていたことに気が付いた
塞がれていた入り口は開かれており、ついにデーダンと戦う時がきてしまったんだと確信した
「待ちな」
行く前にザッカリーが何かスプレー缶みたいのを渡してきた
表面には睡眠ガスと書かれていた
「これは…?」
「俺ができることはソレだけさ、幸運を祈ってるぜプレイヤー」
求めていた返事は返ってこなかった
バッターが急かして来たので結局よく分からないままポケットに押し込んで建物の中に入った
たしかここは音楽が一瞬だけ大きくなる扉が正解の部屋だったか…
だけど音楽なんて一切鳴っていない
今思えばZONE0に来た時から音楽なんてなかった
もしかしてデーダンと戦わなくてすむのでは…?
そう心の中で喜んでいる中、バッターは扉の前に止まっていた
進まないのだろうか…?
しばらく止まっていた後、別の扉の前に移動した
バッターはプレイヤーに手招きをしその扉に入って行った
まさかバッターには音楽が聞こえている?
でもどうして仕様を知っているのだろうか…
ジャッジに聞かないと分からないはずでは?
不思議に思いながらバッターの後を付いていった
これ、別に私が導かなくてもいいんじゃ…
そう思ってるうちに外に出た
この道の先にある建物にデーダンが居る
バッターをどうやって止めるかは考えてないけどどうにかしてでも止めなくては
バッターと共に建物へ足を踏み込んだ