第8章 Chapter 8
どうやらザッカリーにはお見通しのようだ
流石…といったところか
バッターに聞かれたら不味いと思い周りを見回したがバッターは居なかった
ホッとしてザッカリーに話しかけた
「相談なんだけど…デーダンを殺したくないの」
「なんだって?」
「だからデーダンを殺したくないんだって」
ザッカリーが微妙な反応をしたことに疑問が浮いた
賛成してくれると思っていたのに何だこの反応は?
胸騒ぎがする…
「…申し訳ないんだけどそれは無理だぜ」
「なんで?」
「プレイヤーはこの世界から出たいんだろ?
すっごく言いにくいんだけど…全てのボスを倒してこの世界を白紙にしたらあんたは戻れるんだよ」
「ど、どうして…」
「結局はゲームのシナリオに抵抗しちゃいけないって訳よ
自分を犠牲にしてボスたちを助けるか皆を犠牲にしてあんたが助かるか」
究極の二択がプレイヤーを襲った
どうすればいい?自分はどうしたいんだ?
ザッカリーは悩んでるプレイヤーを慰めるように抱きしめて背中をポンポンと叩いた
ザッカリーの体は暖かくて生きているということが分かる
その感覚のせいで感情が抑えきれなくなって涙が出てきた
「どうすればいいの…?ザッカリー、私どうすればいいのかな…」
「あー…オレもなんて言っていいか分かんないけどプレイヤーがコッチの世界に留まってくれたら嬉しいな~…なんて」
「…」
「オレ、あんたのこと結構気に入ってるわけよ
もしあんたに殺されるってんなら喜んで受け入れるぜ」
「…本音は?」
「死にたくないがあんたの悲しむ顔も見たくないって感じかね
だけど悲しむ必要はないんだぜ」
「なんたってただのPCゲームなんだからさ」と言ってザッカリーは軽く笑った
私は自分を優先していたのにザッカリーは私を…
自分の汚さに反吐が出た
しばらくの間沈黙が続いた
その間自分は必死に考えて答えをひねり出した
「…私出るのを諦める」
ザッカリーは驚いたようにこちらを見た
肩をガシッと掴んでホントにいいのか?と確認してきた
「人を殺して自分が生きてるっていう現実にきっと耐えられない」
「…あんたが決めたのならオレはあんたに付いてくよ」
他に元の世界に戻る方法があるかもしれない
そう慌ててザッカリーは言ったが私はそうは思わなかった
…思えなかった