【名探偵コナン】トリプルフェイスの幼馴染は最強?【BL】
第9章 番外編・願望【赤井編】
「…振り払わないのなら続けますよ」
『え……っ、その姿で…か?』
「この姿は嫌ですか?」
『嫌ってわけじゃ…。ただ……知らねえ奴に触られてる気がする、っつーか…』
だいたいこういった流れにもっていく時は本来の姿である赤井の時だけなので、悠の言葉に従って喉元の変声機を押して変装のマスクを剥がす。
「これで満足してもらえたか?」
『お、おう…それなら、ん…っ!』
少し恥ずかしそうに見てくる姿を見ればもっと触れたい欲が大きくなり、耳元を撫でたまま男にしては柔らい唇に自分のを重ね何度も角度を変えて繰り返しているとそれだけでは足りなくなってしまい耳の中や淵を刺激し続け、そうすればうっすらと開かれる口の隙間から自身の舌を差し込む。
『ん…ぅ、は…ッ!ふ、っ…はぁ…ちょ、ま…ッ…!』
「…待たない。それに、ここで止めていいのか?」
『っ……お前…「名前」……秀一ってほんと、意地悪いよな…』
「それは最高の誉め言葉だ。…それよりも、こっちに集中しろ」
『はっ、ぅ…ッ!ふ…っ…しゅ、うッ!!?で、んわ…ッ!鳴って、る…っ…』
「そんなの後でいい。今はこっち………っ!?」
絡み合う互いの舌の温度が心地よくてもっともっとと求め、上顎裏をくすぐるとビクッと反応する悠に次第に気が良くなりもはや止められないところまできたというのにリビングに響き渡る電話の音に内心舌打ちを溢し、そのまま放置しておけばそのうち止まるだろうと思っていたのだがしつこいうえに次第にその音が大きくなっていくのを感じていい加減にしろとソファから立ち上がった瞬間ドンッ!という音と身体に走る痛みに目を白黒させ、ゆっくり身体を起こすと先ほどまでそこに居た彼の姿はない。
…まさか…夢…?
「…はぁ……参った…」
まさかあんな夢を見てしまうとは思ってもおらず盛大に溜息を吐き出して頭を抱え、一体どの辺りから夢だったのか分からないほどにリアルだったものだから身体が熱をもってしまいまた溜息を吐く。
「……覚悟しておけよ。俺は狙った獲物は逃がさない」
夢から覚める原因になった音が今でも聞こえ、それを手に取れば狙ったかのように先ほどまで夢に見ていた彼からの電話で。表示される名前を楽し気に見つめた。