【名探偵コナン】トリプルフェイスの幼馴染は最強?【BL】
第8章 番外編・願望【降谷編】
少しザラつく舌が何度も繰り返し自分の舌に絡み付いて離れず、夜も遅いせいかシンと静まり返る寝室に響く互いの唾液の音に興奮しないわけもなく、もっと欲しいと自らも求めるよう口付けをしていると悠の手が服越しに身体に触れ、それも次第に下へと移動していくのが分かるとさすがに羞恥を覚えすぐ傍のシャツをギュッと握る。
「ん、っ…は…ぁッ!…っっ、ちょ、悠ッ!?ま…ッ!」
『はぁ…っ、零……大丈夫、痛いことは絶対しねえから………だから俺に全てを…』
「うッ、や…っ……もッ…!!…『零……零!!起きろ!!』…っ!!?え………悠…?」
『大丈夫か?かなり魘されてたみてえだけど…』
「魘されてたって………ッッッッ!!?ゆ、めッ!?」
下へと滑る手に待ってほしいという気持ちと触れてほしい気持ちとが入り混じって思考回路はパンク寸前で、そんな状況下でも好きな相手にならと身を委ねようとした瞬間身体を揺すられ自分の名前を何度も呼ぶ声にハッと意識が一気に浮上し、俺を心配そうに見下ろしている悠の顔をぼんやりとした眼差しで見上げながら彼の口から告げられた言葉に先ほどまでの出来事は全て自身の夢だったと漸く分かり、それを理解した途端とてつもない羞恥心に顔が熱くなってしまった。
『お、おい…大丈夫か?顔すげえ赤いぞ…』
「っっっ!!!!!何でもないッ!!!おやすみッ!!」
『え、れ、零!?……何だったんだ一体……』
あんな夢を見てはこれ以上悠の顔を見れるわけもなく布団を頭上まで引っ張って顔を覆い隠し、隣で状況が全く呑み込めていない様子に申し訳ないなと思いながらも今はただそっとしてほしいと心の中で呟き瞼を無理やり閉じた。
…そしてまた気付かないうちに心の奥底で抱いていた願望を夢に見たいと願う…