【名探偵コナン】トリプルフェイスの幼馴染は最強?【BL】
第3章 ポアロの店員安室さん
まだ完全に完治していないので少しはゆっくりできるだろうと思っていた数分前の自分を殴りたい…。
今現在机の上にドンと置かれた書類の山にポカンとした表情を浮かべてから何の冗談だと一言文句を言うためその書類を置いた張本人でもある降谷へ顔を向けたのが悪かった…。
女性ならいちころだろう満面の笑みを浮かべてはいるが目は全くもって笑っておらず、それはまるで「さんざん心配をかけたのだからそれぐらいの事はやれよ」と語っており頬が引き攣るのを感じた。
…くそ……何で俺がこんな目に……
それを口にしては最後、当分の間美味しい食事が食えなくなるのが分かっているため渋々椅子にしっかりと座りなおして先の見えない書類の山を片付けることに専念したのだ。
___________
『だー……っ…やっと終わったぜ!!!』
「お疲れ様です。あの山をこの短時間で終わらせるなんて、さすが蒼井さんですね」
『あ?まあ…これぐらい、な。かなり心配かけたみたいだし。…それに…』
「?それに?」
『ほとんどの書類、あいつが終わらせてんだよ。俺がやったのはせいぜい追加事項を書いたぐらいで。ったく…あいつの不器用な優しさは変わらねえな…』
「降谷さん、本当に蒼井さんのこと心配してましたからね。知らせを聞いた時はそれこそ鬼気迫ったって感じで、部下たちの怯えようといったら」
漸く書類の山を片付けて凝った肩を解すように身体を動かしていると労りの言葉をかけてきた風見へと視線を向け、最初は大量の書類に不満たらたらだったのだが内容を見ればほとんどの項目を埋める見慣れた綺麗な文字に目尻が下がり自然と口元が緩むのを感じる。
そんな表情を見られていたのか、隣で風見が微笑ましそうに「本当に仲がいいですね」と言うものだから恥ずかしくなり『うっせッ』と悪態をつくもあまり意味はないだろう。