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どうやら大好きなようで【短編集】

第28章 出られない部屋 菅原孝支





好きな人でもないのに、キスなんかして…



『じゃあ次ねー!えっとねぇ、お互い下着になろっ!あ、ちゃんと脱がしあってね!!』



「ほんとに無理」


菅原「だって言われた通りにしないと出れないべ?」


「そんな出れないかなんてわかんないでしょうが」


唯一の扉。
ドアノブを回し引いても押してもガチャガチャ音が鳴るだけで開く気配は全くない


「…まさかの引き戸??」


菅原「なわけあるか!」


菅原に背中を見せたのが間違いだった。


つっかまえた
なんて言いながらもブレザーをぬがしベストを脱がされる


「ほんと!ダメ!」


菅原「なんで?」


急に可愛こぶって何故かを聞いてくる菅原


「好きでもない人とこんなことはダメ」


菅原「俺の好きな人がだって言ったら?好きな人とならいいってことでしょ?」


「え??」


ヘラヘラ笑ってるわけでもなく、顔は真剣そのもので冗談でしょなんて言ったら失礼なんじゃ…と考えるほど菅原の顔は真面目で一瞬戸惑った。



菅原「はい、#NAME#1の服ぬがした…次」


ん、と腕を少し広げてボタンを外しやすいようにしてくれる菅原。


さっきまであんなに嫌だ嫌だと、言っていたのが嘘かのように私は菅原のボタンに手をかけていた。
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