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【テニプリ】まずは友達から

第8章 我らがエリザベート(滝/数多)


滝は遠い目をした。

めいこ「でも滝先輩、正直よく試合が見えないんですけど。あと猛烈にゴム臭いし暑いんですけど!」

滝「なに、これどっから見えてるの?」

めいこ「この口の隙間からです。下ばっかしか見えないから、試合見るとき結構顔あげなくちゃダメっすね」

滝「あっそう。しかし似合ってるね」

めいこ「嬉しくないし!」

滝はクスクス笑いながら立ち上がった。

滝「あ、ホラもう直ぐ試合始まるみたいだよ」

めいこ「えっ!」

同じく立ち上がると、向日先輩と忍足先輩が既にコートに入っていた。
視線に気がついた向日がコッチを向いた。

向日「あ」

草むらの影からやっぱり馬が上だけちょこっと見える!

向日「おい忍足馬!」

隣にいる忍足に小声で叫んだ。

忍足「誰が馬面やねん」

向日「言ってねーし!」

めいこは恥ずかしくてまたしゃがんでいた。

滝「何やってるんだか。バレバレだと思うよ」

めいこ「やだー!恥ずかしいからバレたくないー!特にぶちょー!」

滝「..バレバレだと思うよ。俺、隣にいるしね」

めいこ「ハッそうか!やだもー離れてくださいー!」

滝の足をしゃがみながらグイグイ押した。

滝「いや今更でしょ」

遠くからその様子を、ベンチに座りながらめっちゃガン見している跡部。

跡部「あいつ..ホント何やってんだ」

バレテーラ。
また跡部の想像、はるか上をいったので目が点になっている。
滝はコチラに気がついて、ニコニコ手を振った。
只今お守りしているのでご心配なく、とでも言っているようだ。
しかしめいこは気づいていない。

榊「どうした、跡部」

跡部「いえ、なんでもありません」

またキリッとした表情に変えて、コートを見据えた。

滝「めいさん、せっかく各校集まってるからどっか他の試合でも見てくれば?」

めいこ「えぇ?!先輩達の試合は?!」

滝「んー、相手青学だから直ぐ決着つかないと思うし、数分で戻ってくればいいんじゃない?」

めいこ「うーんうーん」

滝「俺はもうあそこにビデオカメラ設置しといたから、見たかったら後で見れるよ」

めいこ「マジで?!」

滝が指さした方をみると、コート外の目立たないところに三脚をつけたビデオカメラが置いてあった。
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