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【テニプリ】まずは友達から

第1章 脳天気マネージャー(跡部)


中身が男前な友人を見送ると、めいこはウキウキと洗濯機を回し始めた。

テニスコートで練習をしていた跡部は、一度休憩をとろうと額にかかった汗を腕で拭いながらベンチに向かって歩いていた。
空は晴れているが、さっきより風が強まり何となく雨の匂いがしてきたのを感じて、自分の左腕についている最新型の腕時計のようなスマホのようなソレに目をやる。
天気の画面にスワイプして切り替えると、朝の予報より雨脚が早くなり、この地域周辺は一時大雨が降るとの情報がのっていた。
同じく休憩に入った樺地を呼び、「アレを持ってきてくれ」と手で合図を送る。
しばらくして、ゴゴッガチッ、キーン、と大きな機械特有の音がコートに響いた。
先程樺地が持ってきたメガフォンの電源が入った音だ。

跡部「おいお前ら!撤収だ、お互い協力して早急に済ませろ。レギュラーはトレーニングルーム、他のものは部室棟で各自、自主練を行ってくれ、以上だ」

ここ最近雨が降ることが多かったため、室内トレーニングの指示は今日だけではないが、「早急に」にという言葉を聞いた部員たちは、いつもと違う雨模様なのを悟り、慌てて片付け始めた。
しかしそんな中、跡部のメガフォン音が唯一届かなかった人物がいた。
部室で洗濯機を回すめいこである。

ここはテニスコート横に最近増設された設備の1つで、テニス部レギュラー専用部室のすぐ横にある。
この建物には簡易的な男子更衣室、女子更衣室がそれぞれあり、テニスコート側からも外側からもアクセスできるよう扉が2箇所についている。
つまりテニス部以外の誰でも使うことができるのだ。
というのも、もう一箇所更衣室が欲しいと多数の生徒要望があったからで、その企画書を理事に提出したのは生徒会長でもある跡部であった。
そして2階はテニス部マネージャー専用スペースで、ランドリースペースや談話スペース、マネージャーなどが使う日品が置かれ充実しており、彼女は今その2階にいた。

ドラム型洗濯機が4台フル稼働の中、前に設置されたベンチでちょうど記録をノートにまとめているところだった。
光景はコインランドリーで洗濯物を待つ主婦そのものである。

めいこ「は〜、いい匂い」

記載しながら、昨日3人で選んだ洗剤と柔軟剤の合わさった匂いにうっとりしていた。
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