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男子校の女王様。

第3章 口は災いの元


「ご、ごめん、ごめんね、ごめんなさい……」

聖くんは涙を滲ませた目で、首を横に振った。

「もう、いい……」

聖くんは立ち上がり、力なく制服に着替える。

そのままフラフラと出て行く。

わたしはその姿をただただ見送ることしか出来なかった。

入れ替わるようにして、時雨先生が入ってきた。

「あ、時雨先生……生徒さん、大丈夫でしたか……」

「ああ、ただの脱水症状だった、すぐ良くなったよ」

「そうでしたか、良かった……」

わたしは弱々しく笑った。

時雨先生はちらりとわたしを見た。

「それよりも、お前……」

わたしを覗き込むように見つめる。

「何かあったの」

「え、えっ」

わたしは一歩後ろに下がる。

「お前……俺が出て行った時と様子が違うし」

「そ、そんなことないでしょう」

わたしは目を逸らす。

時雨先生が距離を詰める。

「……聖」

肩がビクンと跳ねた。

時雨先生がわたしの両肩に手を置く。

「わああッ!なんですか!」

「ビンゴか、何があった?何かされたか?それともお前まさか、何かしたのか?」

「ちょっちょっちょっちょ!近い!近いですって!なんにもしてません!」

「おい」

時雨先生がわたしの頬を手で挟んだ。

「ふみゃッ!にゃ、にゃにをふるんれすか……!」

「俺の目を見ろ、目を見て答えろ……」

時雨先生は有無を言わせぬ迫力でわたしを捩じ伏せる。

わたしはゆっくりと、

「なんにも、してない……で、す」

目線を時雨先生の奥にズラす。

「学園長の、息子だ」

「えッ」

目線が戻る。

時雨先生と目が合う。

やっちゃった、という顔になるわたしに時雨先生が眉根を寄せる。

「お前、何かやったのか」

時雨先生は、何もかも見透かすようにわたしを睨む。

わたしは、

「……実は」

時雨先生に泣きついた。
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