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また、恋してくれますか。

第27章 〜番外編その4〜


夕食を終えると、やっと我が子と対面
できた桜奈。

小さくて、柔らかくて
少しでも目を離したら
消えてしまいそうなほど
頼りな気な存在。

家康と交互に抱っこしながら
自分達の元に来てくれた
新しい家族に喜びと
幸せで満たされる二人。

小さな手に指でそっと触れると
ぎゅーっと握り締めてくる。
頼りな気でありながら、その力強さに
驚かされる。

どうか、願わくば
健やかに、幸せな人生を歩んでくれますようにと
親となった家康と桜奈の切なる
願いは、ただ一つだけ。

この子を守り幸せするのだと
誓い合う二人だった。

その後の産後の経過は、問題なく
予定通り退院した桜奈は

体力が回復するまで、実家で静養しつつ
様子を見ることになった。

ベビーベッドに接している
壁には『命名 信康』と言う
命名書が飾られてあった。

信念を持ち、自分を、人を信じ
安泰の人生を歩んでいけるように・・・
と名前の意味を後付けした。

何故なら、信康と言う名前だけが
家康の母と桜奈よって
先に決められたからだ。

普段は、温厚で優しい家康の母だが
歴史だけは、譲れないガチの歴女。
そこに、嫁ではあるが徳川家康大好きの
戦国時代限定歴女の桜奈。

家康の母は、徳川家康の嫡男と言えば
名前は『信康』以外考えられない!
と提案した。桜奈も言われるまで
気づかなかったが、そう言われたら確かにと
納得し、素晴らしいと先輩歴女を称賛した。

そして歴女二人は、がっちりとタッグを組むと
周囲のあんぐりな空気には、気づかぬまま
勢いで、名前が『信康』に決まったのだった。

この上なく似た者同士の嫁姑だったんだと
今更だが、家康は改めてそう思った。
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