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また、恋してくれますか。

第4章 〜初恋〜


『うん、覚えてる。あの時、怖かったもん。
しぃちゃん、どんどん進んで、離されてしまって
必死で追いかけてたのに、しぃちゃんが突然
消えてびっくりしたもの。
そしたら、しぃちゃん、あっぷあっぷしててさ。

溺れてるしぃちゃんの近くに行きたいのに
波のせいで、なかなか近づけなくて
必死に、誰か助けてーって泣きながら
絶叫した記憶ある。』

『そうそう、そん時よ。
私の浮き輪に穴が空いてみたいでさ。
膨らまして貰った時は気づかなかったんだよ。

で、海だしテンション上がってて
なんかもっと遠くまで行ってみたくて
沖の方に夢中で向かったわけですよ。

空気が抜けて行ってるのに気づかないほど
楽しくて、興奮してたんだろうね。

途中から、あれ?って気づいた時は
桜奈とも距離が広がってて

浮き輪が、海に浮かぶビニール袋みたく
ペシャンコになった時には、ドボンと
海の中だったの。

まだ泳げなかったしバタバタして
顔出しても、波は次から
次にくるしさ。もう大パニックよ。

怖いし、苦しいし、焦るしで
そのまま沈んでしまって、私、死ぬかもーって
思ったら、なんか海の中で目を開けたんだよね』

『うん、うん、それで?』

『そしたら、私に向かって泳いでくる人が
いてさ、何か時間がゆっくり流れてるみたいに

その人の顔をまじまじみちゃって
で、その人に、抱き抱えられて
水面から顔を出したけど、溺れてパニック
だから、めっちゃその人にしがみつい
ちゃってさ。』
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