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また、恋してくれますか。

第17章 〜他生〜


意地悪する癖に
どこまでも優しい家康。

今また、さりげなく手を引かれ
ドキドキしながら、嬉しくて頬が
緩みっぱなしな桜奈は
なかなか顔を上げられずにいた。

ずっと、俯いたままの桜奈に
(やっぱり、怒って拗ねたのかも・・・)
と思った家康は、どうやって機嫌を
直そうかと、信号待ちをしながら考えていた。

ふと、前方に目をやると
おでこに手をかざし、こちらをニヤニヤ
しながら見つめてくる人物に気付き

『あ〜!』とめんどうそうに声を上げた家康。

家康が急上げた声に
どうしたのかと、家康を見上げ
『家康さん?』と声をかけると
丁度、信号が変わり向こう側から
『桜奈〜!!』と声がした。

聴き慣れた、その声のする方に目をやると
手を振る詩織が見え、こちらに向かって来た。
隣には、詩織の祖母の姿もあった。

『あっ!しぃちゃん!!』と
声を上げ、繋いでいた手をパッと離し
両手で手を振る桜奈。

親友を前にし、あっさりと振り解かれて
しまった手に寂しさを感じる家康は
小さなため息を吐いたが、桜奈は
全く気付かなかった。

信号を、渡りきり家康と桜奈の
ところで足をとめた。

『こんにちは。』と声をかけ
詩織の祖母に挨拶する桜奈。

『こんにちは。桜奈ちゃん。
今日は、デートなの?いいわね』とチラッと
家康の方みた詩織の祖母。

『しぃちゃんのおばあちゃん、違いますよ。
デートじゃないですよ』と、慌てて両手を
振り、否定する桜奈。
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