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また、恋してくれますか。

第17章 〜他生〜


『栞!しっかりしなさい。この子は
あなたの妹よ。あなたがいなくなった日に
この子がお腹にいるのが分かったの。
それで、あなたが手紙で教えてくれた
お世話になった方のお名前を頂いたのよ』

そう、千里に言われたが
栞は、混乱したままだった。

栞には、どっからどう見ても
戦国時代の桜奈と家康としか
思えなかったからだ。

『ちが・・う・の?』二人を交互に
見比べ、違わないと言ってくれることを
期待したが、二人の困惑した表情から
別人なのだと悟った。

(そうか、そうだよね。ここは、現代だもん。
桜奈さんは、もう、この世には
いないんだもんね。会えたと思ったのに・・・
こんなに会いたいのに・・・)

期待してしまった分だけ、桜奈を失った
悲しみが振り返したように、また切なさが
込み上げて、涙が止まらない栞。

『栞、色々と混乱してるのよね?
我慢しないで、泣きたいだけ、泣いていいわよ』
背中を摩りなが、千里は栞を労った。

きっと、向こうに残してきてしまった
大切な人達を思い出しているのだろうと
千里は思ったのだ。

コクッコクッと頷き、ひとしきり泣いた栞。
少しずつ冷静さを取り戻していった。

それから、涙を拭うと
『あはっ、ごめんなさい。いきなり泣き出して
みっともないとこ、見せちゃって。
二人が、私の大切な人達にそっくりで
また、やっと会えたと錯覚しちゃった。
嬉しすぎて涙でちゃったよ』と、目を真っ赤に
して照れ笑いする栞。
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