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また、恋してくれますか。

第13章 〜真実〜


会話らしい会話もないまま
握った手の温もりを感じながら
二人は、黙って歩き続けていた。

駅につき、一旦離された手。
電車に揺られている間も
肩を寄せ合うように、隣にピッタリと
座り、目的地の駅から出ると
また自然に手は繋がれていた。

やがて、ケーキバイキングの
店に到着すると、桜奈の表情は
期待に心弾むように輝いた。

席へと案内される道すがら、まさに色とりどり
のケーキに、見たこともない世界にきたかの
ように、笑顔を絶やさない桜奈。

子供のように瞳をキラキラ輝かせ
キョロキョロする桜奈に
『子供かっ!』とクスッとしながら
ツッコミを入れる家康だった。

『だって、だって、もう・・・凄くて』
あまりの興奮に、会話が成立しない桜奈。

席につき、飲み物を注文すると
足取りも軽やかに、あっちへこっちへと
ちょこまか動き、かと思うとピタっと
動きを止め真剣に悩みながら
ケーキを皿にとって行く桜奈。

家康は、愛おしいそうに、その姿を目で
追っていた。
(喜んでくれて、良かった・・・
にしても、はしゃぎ過ぎだし、取りすぎ
じゃない、あれ?)

桜奈がケーキを皿いっぱいに
持ってきて、席につくと

『それ、本当に全部たべれんの?』と
呆気に取られる家康。

『えっ、これはまだ序の口ですよ!
サイズが小さいから、きっともう一皿分は
いけます!!』
(あれ?食べすぎ?引かれてる?)と
思ったが、ケーキを前にすると
家康の前で恥じらう乙女心は、より多くの
ケーキを味わいたい衝動にあっさりと
敗北した。
(まっいっか!あー、美味しいそう!!)

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