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また、恋してくれますか。

第12章 〜終恋〜


振られるのが分かっている告白。
分かっていても、振られたら
どれほど胸が痛く苦しく
なるのだろうと想像すると
少し怖くなる桜奈。

でも、詩織の言った通り、このままでは
この先ずっと、忘れることなどできそうに
ないくらい、自分の心を家康が占めていた。

ちょっと思い出しただけで、色んな表情の
家康が脳裏をよぎって行く。
ちょっと気を抜けば、すぐに家康の事を考え
今、何してるかなと思ってしまう。

そして、家康の隣に寄り添い、仲睦まじく
微笑み合う、見知らぬ女性と家康を
想像するだけで胸がぎゅーっと締め付け
られてしまう。

(手が届かないものを欲しがるたびに
この胸のぎゅーって痛い感じは
付き纏うのかな?家康さんの隣に
いられるのは、私じゃないって
分かってるのに・・分かってるんだけどな・・)
そう思うと、また胸が痛み
涙目が勝手に零れた。

泣いている姿に慌てる詩織。
『桜奈!ど、どうした?』

『えへへ、今日の青空はやけに目に染みるな』
と笑いながら涙を拭う桜奈。

『そっか、痛いほど、空の青さが染みる時が
あるある。』と、ハンカチを
桜奈に渡すと、そっと桜奈の
背中を優しく摩った。

その様子を、二階の窓にもたれながら
そっと眺めていた光成。

(上杉さん、泣いてる?)と眉をひそめた。

燻る想いを抱えているのは光成も一緒だった。
でも、1番大事なのは桜奈の気持ち。

徳永さんと上手く行くのなら
自分の想いが届かなくても
仕方がないと思っていた。

(なんで?徳永さんと何かあった?)
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