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また、恋してくれますか。

第11章 〜別れ〜


小夏との腹の探り合いで疲弊し
家に帰り桜奈の
バイトに受かった嬉しいそうな顔に
どっと重苦しさが増し
つい、桜奈に八つ当たりした挙句
ベッドの上で疲れ果てていた。
だんだん睡魔に襲われて
少しウトウトしてきた。

(小夏は、きっと俺と結婚なんて
したくないんだろうな・・・弟くらいにしか
思われてないからな。でも、小夏が
幸せになれないと、俺は、自分を許せそうに
ないし・・でもな・・
今日は、絶対何か感づかれた気が・・・)
ぐるぐる考えているうちに、いつの間にか
スゥーと眠りに落ちていった。

そして、すっかり夢の中にいた。
夢の中で誰かが自分を呼んでいた。

《家康様・・家康様・・お食事の時間ですよ
起きて下さいまし・・家康・・様》
顔は、ぼんやりして分からないが
涙が溢れそうなほど、懐かしく
愛おしい想いが込み上げてきた。

自分をゆり起こす、その手をパッと掴むと

《やっと、捕まえた。どこに行ってたんだよ
ずっと会えなくて、俺は・・桜奈
もう、どこへも行かせない・・》と言うと
そのまま、手を引き寄せ夢の相手と
唇を重ねた。

その感触が、やけに生々しく
もっと、深く溶けるような口付けを
しようとしたところで、バチンッ!!
と言う音と、両頬に痛みが走った。

(いってぇー!!)と痛みで目をパチっと
開くと、眼前には涙目の桜奈が
怒りのこもった目で睨んでいた。
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