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また、恋してくれますか。

第8章 〜恋敵〜


『じゃ、早速中に入って勉強しますか!』と
ニッコニコの詩織は、皆に促した。

(いつも、勉強って言うと、重い空気
醸し出すのに、なんでこんなにご機嫌
なのかな、しぃちゃん・・・?)と思ったが
『そうだね!時間ももったいないし』と桜奈。

中に入り、席を確保すると
桜奈の隣には光成
桜奈の向かい合わせに詩織が
座り、詩織の隣に家康が座った。

詩織が先に家康から数学を教わり
桜奈は、光成から歴史を
教わっていた。

家康は、詩織が理解できていない部分を
理解して、理解しやすい考え方、視点を
詩織に気づかせていった。

『これは、こう?』『いや、それより
こっちをこう考えて・・そうそう』
『あっ、そうか、そう言うこと』と
理解を深めていく詩織。

そんな二人をチラ見しながら桜奈は
(良かった、しぃちゃん順調そうだ)と
内心喜んでいた。

一方、桜奈は光成に、歴史を
教えてもらっていた。
『この時に、起きたこの事件で
世の中の流れが・・・』『ああ、じゃこの人は
こう言う考えになって、それで・・・』
歴史の背景には、人の心の動きと、それに
付随するように世の中の動きが変わって
行く事を、桜奈は理解できた。

『そっか、それでここに繋がって
そうなって行ったんだ』と感心する桜奈を
愛おしそうに見つめる光成の視線。
それに、気づいた家康は、ギリリッとする
感覚になった。

光成が桜奈に好意を抱いていると
直感し、それに呼応するように
どうしようもなく騒つく自分の気持ちにも
気づいてしまったのだ。
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