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Life is HARDだけどHAPPY

第1章 第5棟


今日、我が家は引っ越してきた。
と、いっても両親が離婚し母と二人でここ、八塩団地第5棟へと越してきた。

ここが私の新しい家。

忙しい母の代わりにお隣にお蕎麦を持って、訪ねることとなった。

ピンポーン――

となりのお家は貴田さんというお宅で、私と同じ年の子がいるらしい。

扉が開くとパッと笑顔が明るい優しそうなおばさんが私を見るなり、
「あら! お隣のさんとこの娘さん? まあまあとりあえず中へどうぞ」
と、促され、気さくなおばさんになんやかんやお茶までご馳走になり話しをしていると、

玄関の方から音がして

「かーちゃーん、かえった」
と、なにやら男の子の声がしてきた。

あ、と思ったらおばさんが
「うちの子よ、仲良くしてあげて」
と私に告げ

「ハルー! あんた、ちょっとこっちきて! お客さんよ! 」
その声と同時くらいにリビングののれんをくぐって男の子が入ってきた。
「え、」

「お隣のちゃんよ。あんたと同い年ですって!」

私を見るなり固まってしまった彼。
小柄で、背丈は153センチの私よりも15センチくらい高いだろうか。
薄っすら茶色の髪の毛と、垂れ目がちの二重の目。
口はポカンと小さく開いていて、誰だ!?みたいな顔をしてるように見える。

「うちのこ、ちょっと変だけど仲良くしてやってね!
悪い子じゃないから!
あんた自己紹介くらいしなさいよ!」

と、おばさんが息子さんをバシバシ叩くと、ハッとした顔をしておばさんと距離を取った彼は私をみてぺこりとお辞儀をした。

「た、貴田はるっ、は、春彦ですっ、よ、よろしく、」
そう言うなり彼は足早にリビングから出て行ってしまった。
それはもう、一目散に。。

「ごめんね、あの子ちょっと緊張してたみたい。明日学校の場所不安だったら頼りないけどあの子と行ったらいいわよ!
ハルには私からいっとく!」

「春彦さんにご迷惑じゃなければ、お願いしてもいいですか?」


なんて、お願いしてお別れをした。
大丈夫だったかなーと、少しだけ不安に思いながらも明日に備えて
寝ることにした。
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