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【文スト】金盞花

第7章 幸せのおつり




「まだ起きてたのか?」



「中也…」






任務を終え、本部に帰還した後はどんなに遅い時間でも必ず私の元に来てくれる




現に今も夜中の2時を廻っている






「おかえり。…怪我、は?」




「ねぇよ。いい、無理に起き上がるな。寝てろ」






身体を起こそうとする私に中也が止める




そのまま中也は私の額へと手を宛がう






「まだ熱いか…」





ここ最近は原因不明の高熱に悩まされていた




なかなか熱が下がらず今日で丸三日目






「飯は?」




「今日も…、あんまり…」




「食べれる時に食べれば良い。無理に食おうと思うな」




「中也、なんか…優しい?」




「あぁ?何時もだろうが」






そう言って頭を優しく撫でてくれる




それがとても心地よかった






次第に睡魔に襲われる




でも目を閉じるのが恐いでいた






「恐いか?」






そんな私の様子に中也が心配そうに顔を覗き込んできた






「寝たら、もう二度と…、起きれない気がして…」






ここで眠りについたら二度と目が覚めないんじゃないか




そしたら中也とも永遠にお別れする事になる




恐くて仕方がない






「…」





優しい声で名前を呼ばれる






「大丈夫だ。必ず起こしてやるから」




「ほんと…?」




「あぁ」






そう言って額にキスをしてくれる




それだけの事で酷く安心できた


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