• テキストサイズ

【進撃の巨人/リヴァイ】心の氷が溶けるまで。

第11章 初陣




―マズイ。

進んだ先には遮蔽物がある。
こういった視界の悪いところは長距離索敵陣形の弱点なのだ。

辺りを最大限注意しながら急いで抜ける。
何とか巨人に遭遇せず抜けることができてホッとしたのも束の間。


そう遠くない場所から巨人が歩いてくる振動が伝わった。
しかも一体なんかじゃない、六体くらいが一斉に向かってくる。

ティアナは恐怖でひゅっと喉が鳴った。
こちらに来ているということは、初列索敵班がやられたということ
なのだろうか。


「クソっ、10m級が2体も居やがる!ローエたち新兵には
近づけたくないが…」

「あぁ…!やるしかないだろう」


ティアナの近く(と言っても姿が見える、大声が聞こえるくらい
の遠さ)の索敵支援班、ナナバ班の先輩兵士のそんな会話が聞こえた。

だが、ティアナは彼らが話している間恐怖に耐えながら巨人の
集団を観察していて違和感を覚えた。

まだそんなに近くはないし、ティアナが断言できるほどではないが…
おそらくこの6体はすべて…


「おい、待て!あれは…奇行種だ!!」

「…ッ!絶対ここで食い止めるぞ!近い奴から順にやる」


無理だ、とティアナは思う。
通常種だって手強いのに、奇行種6体に対して二人で倒すなんて。

…二人が死ぬ可能性のほうが圧倒的に高い。

ティアナの脳裏にお母さんが殺された記憶がよぎる。

…もう、嫌だ。
自分の目の前で人が、仲間が死ぬのを見るのは…!!

/ 156ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp